潮風通信

〜尾道の潮風にのせてお届けします〜

第2話

善光寺如来

金銅阿弥陀三尊立像

 当山に安置されています「金銅阿弥陀三尊立像(県重要文化財)」は室町時代中期作のもので、文明元年(1469年)足利義政の時代、信州(長野県)の善光寺本尊(秘仏)を写し当寺住職の融印が安置したと伝えられています。

 そのため「善光寺如来」とも言われるお像は、全国におよそ136体あると言われ、当山がある広島県内には2体ありますが、ひとつは木造なので金銅製は当山のみ。また、善光寺如来は日本に仏教が伝来した頃の仏像とも言われ、当山のお像はその面影をよく残しています。阿弥陀如来の両手が刀印であるのも珍しいことです。

 その特徴は、1枚の舟形光背に三尊がおさまる一光三尊像(大きさ:阿弥陀如来は像高57センチ、観音菩薩は像高39センチ、勢至菩薩は像高38センチ)であるということ。もとは、南之坊(※現在は光明寺会館のある場所)に安置されていましたが、現在は客殿に安置されています。

 なお、善光寺では秘仏を模した前立本尊(まえだちほんぞん)が7年に一度、御開帳されます。